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Ragnarok〜青空の下で〜6話





























「あゆあゆ……」

「うぐ?なに?」

祐々はベッドに横たわるノエルにシーツを掛けながら、あゆあゆに声を掛ける。

「私、これからどうすればいい?」

「うぐ?」

「ノエルを護るとか言いながら……」

ノエルの手を両手で握り締めながらポツリと呟く。

ポタッ……

祐々の涙がノエルを握っている手の甲を濡らす。

「何があったのかは判らないけど、祐々さんは精一杯やったんだよね。ならノエルも許してくれるよ」

「そうかな………でも私は彼女に死ぬ寸前までの大怪我を負わせたんだよ?絶対に許してくれるわけ無いよ」

「祐々さんは何でそう思うのかな?ノエルの性格を知っているでしょ?」

「でも……ノエルに会わせる顔がないよ……」

と沈んだ口調で言う祐々。

「うぐぅ……」

「………私は無力な自分が許せない」

ぎゅっと唇をかみ締めているため、血がにじみ始めている。

「……祐々さん」

「もっと力が欲しい」

かける言葉が見つからなくて困惑した様子で祐々を見つめるあゆあゆ。

「ここはボクが見ているから、祐々さんは疲れているんだし寝たほうがいいよ。明日になるとノエルも目覚ますから、そのときに考えようよ」

祐々自身からもかなりの疲労が見えていたのであゆあゆはそう言うが……

「………そうね」

祐々は寝ているノエルの額に軽くキスをすると、席を立ち上がり部屋を出て行こうとして扉の前で振り返る。

「あゆあゆ……」

「うぐ?」

「ノエルが起きたらごめんねと言っておいてね。じゃ、私は寝るから……おやすみなさい」

「うん、わかったよ。おやすみなさい、祐々さん」

あゆあゆは祐々の背中を見送ると、ノエルが寝ているベッドの横に座る。

「うぐぅ……ノエル、あんまりみんなに心配掛けちゃだめだよ〜」

布団からはみ出ていた手を中に押し込もうとして、一瞬、ノエルの肢体に視線を向けた途端、動きが完全に止まる。

「……うぐぅ……」

深刻な表情でノエルを見つめるあゆあゆ。

「うぐぅ………ボクより年下なのに………」







・・




・・・




・・・・




・・・・・



「胸が大きい」

さすがはあゆあゆ……ノエルの心配よりも自分の胸の無さを心配していたのだった。

















「私は……」

プロンテラの大聖堂から出た私は、ふらふらと街の中を歩き回る。

気が付くと何時の間に旧剣士ギルドの建物が間近に見えるある街の南東の広場まで、歩いてきてしまっていた。

「なんで私は剣士になろうとしたのだろう……」

雲ひとつない満天の夜空を見上げながら呟く。

「よぅ……姉ちゃん。こんなところで何一人で空を見上げているんだ?」

いかにも柄が悪そうな男たち4人組が祐々を取り囲み、馴れ馴れしく肩や腰に手をまわしてくる者もいる。

「ひひひ……こっちに来て俺たちをいい事しようぜぇ〜」

「ひゅぅ〜……結構、美人じゃねぇか……」

肩から回された手が無遠慮に服の中に入り込もうとしてくる。

服の上からお尻を撫で回す者も……。

この近辺は夜になると冒険者崩れの下衆な人間達が集まっていて、危険な場所だと聞いていた。

「………いで」

「ん?なんだ?」

俯き呟く祐々に耳を向ける男たち。

「触らないで…!」




パンッ





肩にまわされていた男の手を振り払う。

「私に構わないで……どっかに行って!!」

男たちの手から逃れ睨みつけるが……

「このアマ……」

「いい気になりやがって」

「ククク……少し痛い目をみないとダメだな」

「叫んでも誰も助けに来てくれないぜ…」

「…じゅる」

それぞれが自分の獲物を取り出し、ギラついた猛獣ような目で再び、祐々の周りを囲む。

剣士1、弓手1、シーフ1、マジ1……連携の取れた動きから、かなり厄介であった。

真っ先に一番厄介なマジシャンに駆け寄ろうとするが、あと一歩という所で……

「聖霊よ、我が意に従え!ソウル・ストライク!!」

マジシャンの背後に現れた光弾と化した聖霊たちが祐々を襲う。

「……ぐっ!」

衝撃によって少し吹き飛ばされながらも、両足で踏ん張り後退しないように耐える。

先程の衝撃の痛みに耐えながら、マジシャンの膝蹴りをみぞおちに叩き込み、前かがみになった所に回し蹴りを後頭部に叩き込む。

「げふっ」

その2撃でガクッと膝をつき前のめりに倒れるマジシャン。

「こ、このやろう……」

剣士の一人が剣を上段に振りかぶり斬りかかるが、鎧に当るように右に半身をずらす。

ギンッ

肩当と剣が交差し、火花を散らす。

剣で斬られる事は無かったが、今ので完全に左腕が上がらなくなってしまった。

「くっ……バッシュ!!

氣を込めた拳を剣士の顔面に叩き込む。

「ふべらっ!」

鼻血を盛大に吹き上げながら後ろに倒れ臥す。

ヒュン……ズッ

太股が燃える様な感じのすぐ後に激痛が走る。

「ああああっ……」

がくんとその場に膝まづくが……目の前に転がっている剣を手に取り、立ち上がる。

ヒュン……ズッ

もう一本の矢が反対側の太股を貫通する。

「あぐっ……」

祐々は強制的に痛みを無視し、弓手に向かって駆け出す。

ヒュン……ドスッ

今度は鎧が無いわき腹に刺さるが、速度を落とさずに弓手に向かっていく。

彼女の血が服を赤黒く塗らしていく…。

「ば、ばけものか……このおん「バッシュ!!」

弓手が言い終える前に、気を込めた渾身の一撃で弓手の上半身と下半身を分断してしまった。

「がはぁ……」

弓手の返り血を全身に浴びながらゆらりと幽鬼の如く、残った男たちに振り返る。

「「ひ、ひぃ……」」

男たちはあまりの恐怖でその場に凍り付いてしまった。

一歩、また一歩と男たちに向かって歩き出す祐々。

その目には理性と言うものを感じなかった。

「くすくす・・・・・・」

そこにあるのは狂気………。

「マグナム・ブレイク!!」

ゴウンッという音と共に男たちを焼き尽くす炎。

炎が煌々と祐々を照らし出す。

「くすくす・・・・・・」

彼女はまた、一歩と炎に向かって歩き出していく。

そして、彼女は、炎の中に消えていってしまった。

















近くの住人が炎に気がついて、炎を消し止めた時には……

焼死体が2人、顔面打撲の剣士風の男が一人、頚椎破損で重体のマジシャンが一人、上半身と下半身が分断された弓手の死体が1体………

そして……出火した現場からは男らしき焼死体が2体出て、街中にその話が広がったのだった。

しかし、現場からは祐々の死体らしきものは発見されなかった。

「祐々さん。本当にどこいったんだろ?」

あゆあゆは事件があった日から姿を消した祐々のことを探していた。

しかし、あゆあゆの努力とは裏腹に祐々はイズルートの彼女の家にも行ったが、帰ってきた様子もない。

第一、彼女が何も言わずに姿を消すのはおかしいと思っていたが、手がかりがない以上どうしようもなかった。

それから数週間後、あゆあゆはベッドで穏やかに寝ている少女の元を訪れた。

ただ、その日はいつもと違い背中には大きなバックとバックラーを背負い、腰に限界まで精錬されたチェインを装備していた。

「ノエル……ボク、決意したよ」

あゆあゆは先日、祐々らしき人物が砂漠の入口で見たという証言を聞いて探す旅に出る決意をしたと意識が取り戻さないまま眠り続けてる同僚の少女に告げる。

「ボク、必ず祐々さんを探して連れてくるね。いってきます」

大聖堂を後にし、街を出たあゆあゆはこの青空の下で必ず会えると信じて、砂漠へと歩き始めるのだった。






後書き?

作者「ふぅ、とりあえず第一部終了です」

祐々「作者さん♪」

作者「お!これは祐々さんではないですか」

ザクっ

作者「ぐあ、いきなりブロードソードで刺さないで下さい…………」

ザシュ

作者「がはっ……痛いです」

祐々「ノエルの次は私をこんな目にあわせて、死んで償いなさい」

作者「…………それは……」

祐々「マグナム・ブレイク!!」

作者「ぎゃあああああああ……」







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